校長からのお手紙 | letter from the principal

2018.12.10 第239号-正-しさと優しさのノーサイド-

ラグビーでは、対立する概念のようなものが、
実は共存共栄して一つになるという事がよく起こります。

例えば、敵と味方。
試合が終わればノーサイドして友達です。

例えば、強さと優しさ。
例えば、規律と自由。

社会の規律を守りながら、自由に自分らしく自然体に振る舞えるのが理想です。

本校では、この理想的な状態を作るために、
自由に伸び伸びをベースにして少しずつ規律を育てていく方法をとっています。

最近嬉しい事に、小学校低学年のクラスにちゃんとやるという規律が生まれて来ました。
真面目にちゃんとやる子が増えて来たのです。
ちゃんとディフェンスラインに並ぼう!
という声が生徒達から上がって来るようになりました。

とても良い傾向ですが、ここからが正義と我儘がぶつかり、
子供達が我をとり成長していく切磋琢磨の修行が始まりです。

例えば…

ふざけん坊のA君に対しておこりん坊のB君が「ちゃんとやれよ!」と
強い口調で責めます。

A君はムカムカ。

今度はB君がミスしたら
A君が「お前こそ、ちゃんとやれよ!」と責める。

先ほどの報復が出来て
A君はムカムカを解消してスッキリ!
だけどB君さらにムカムカムカ!

今度はA君がミス!
ここぞとばかりにB君が…

こうして報復合戦が始まり
さらに雰囲気がギスギス!

互いにアイツが悪い。
先にアイツがこう言った。
僕は悪くないと罵り合い
最後はつかみ合い殴り合いに発展し…

互いに傷つきます。

相手がふざけたり、ミスしたりした時は自分が正しい側なので
コーチや取り巻きを味方につけて
「ちゃんとやれよ!」攻撃をすると
相手をその場ではやっつけられるような気がするのですが…

それば間違いです。

自分が他者に向けた刃は
他者の報復としてすぐに
自分に戻るからです。

相手が報復しなくても
廻り巡って因果応報でいつか
自分に返ってきます。

仏教では、これを因果応報の理。
心理学では鏡の法則といいます。

相手を傷つけれは自分も傷つき
相手を癒せば自分も癒される。

このように自他は同一であるという視点を禅仏教では自他一如と言います。
ラグビーではノーサイドと言います。

この理がわかれば
他者を励ますのは自分を励ます事だし
他者を傷つけるのは
右足で左足を蹴るようなもので
自分を傷つけるのと同じ事だわかります。

このようなケースでは
自分がされて嫌な事は人にしない。
自分がして欲しいように人に接する。

自分に正義があっても
必要以上に相手をやっつけてはいけない。
それが強くて優しいという事なのだ!

と学ぶチャンスです。

こういう機会を見つけたら
私達コーチや保護者は、しっかりと向き合って両者の言い分を
まずよく聴いて対話する事が大事です。

まずは、しっかりと両者の話を
傾聴して両者の言い分を認めつつ、
その気持ちはよくわかるよと
両者の怒りや悔しさを理解してあげて
解消していきます。

それから、報復したら自分もやられる、
優しくしたら優しさが返ってくる鏡の法則をゆっくり説いて
双方に正しさと間違いがある事に気付くように導きます。

最後は、お互いにごめんねと謝って握手する状態になるまでじっくり向きあいます。

自由と規律
正しさと優しさ

両者がノーサイドして
ひとつになる状態が理想です。

ラグビーは、自由と規律、哲学と運動が共存する、
本当に面白く素晴らしい競技です。

今週も私も学生コーチ達と生徒達と共にラグビーを通じて切磋琢磨したいと思います。

よろしくお願いします。

東京セブンズラグビースクール
校長 村田祐造