校長からのお手紙 | letter from the principal

2018.10.23 第232号-ライオンズの挑戦/大学生との真剣勝負-

先週は、本校のトップチームであるライオンズの生徒7名と学生コーチ陣4名が、真剣勝負の練習試合をしました。

全体授業の終了後に補講として10分だけのミニゲームです。

ライオンズは、トップチームとはいえ、小3から中2の生徒達です。
学生コーチ陣との体格差は、文字通り大人と子供の差があります。

したがって、ぶつかり合いのあるラグビーのルールでは危険すぎて対戦できません。

そこで、本校では小中学生と大学生が真剣勝負で対戦できるようにルールを工夫しています。

先週は下記のルールで対戦しました。

1.守備は、タックルの代わりに腰につけたタグをとる。

2.ボールキャリアは、タグをとられたら、
倒れてダウンボールしなければならない。

3.攻撃側は、ボールキャリアがタグをとられてダウンボールしたら、
必ずもう一人の選手が駆けつけて盾のようにボールを
プロテクトし(ラックを形成し)なければならない。

4.守備側は、攻撃側がダウンボールした時に、
攻撃側のプロテクターの到着が遅かったら
ジャッカル(立ったまま屈みこんでボールを奪う)して良い

5.ライオンズ7名 対 学生コーチ陣4名

6.コートの広さは20mX50m

7.ぶつかり合いは禁止

8.大学生の制限速度は生徒にぶつかりそうになったらいつでも止まれる速度

9.キックはあり スクラムは1対1でノーコンテスト

10. 時間は10分1本勝負

上記のルールで真剣勝負をしました!

結果は…
3トライ対0トライでなんと
ライオンズが大学生に圧勝しました。

勝因は…

最年長の中2のHくんがほぼすべてのラックに
プロテクターとして参加してほぼすべてのラックを連取した事です。

あーボールがもらえねえー
あーまた俺かー
誰かラック入ってくれー

とかぶつぶつ言いながらも素早く動いてライオンズボールのほぼすべてのラックを
彼がプロテクトして確保していました。

彼は俊足で抜群切れ味のステップの持ち主なので
本当はボールをもらって自分で走りたいのですが…

チームがボールを確保するためには
自分がプロテクターになるのが最善と判断して
何度も何度も仲間のために盾となる選択をしてくれたのです。

まさにいぶし銀のプレイでした。
次の展開がすべて予測できているみたいでした。
すごい才能が眠っていました。

Hくんが盾になってくれたので、
ボールを持って走るというラグビーで1番楽しいプレイは、
後輩の小学生達が担当して
みんなが躍動して思いやりのパスがつながり
3トライを大学生から奪いました。

ライオンズは、組織で守る練習もしています。
いくら大学生とはいえ、小学生7人に囲まれたら、
個人技ではなかなか抜けません。

ある時、東大ラグビー部では司令塔のポジションを務める太郎コーチが、
自陣から大きくキックして陣地を回復する戦術を選択しました。
ライオンズの守備ラインの裏にボールを転がしてライオンズの選手を背走させる作戦です。

太郎コーチのキックは、素晴らしい判断で素晴らしい落とし所のキックだったので、
見学しているコーチ達から「太郎!大人げねーぞー」と野次が飛びました。

私はレフリーをしながら
ふふふ、それはどうかな?
と思いました。

その時です。

裏にキックされたボールをいち早く戻って確保したのは、Hくんでした。

彼はボールを拾い上げるやいなや、
水を得た魚の如く駆け出したと思いきや、
夏空の雷光の如く電光石火の早業で大学生の守備網を切り裂いたのでした。
数人をごぼう抜きして置き去りにしました。

この時は、観ていた小学生達から「すげえ!はええ!」と歓声が湧きました。

Hくんの電光石火のカウンターアタックは辛くも必死の大学生がなんとかタグをとって止めました。

Hくんが倒れてダウンボールしたラックをプロテクトしたのはHくんの同級生で親友のNくんでした。

まるでキャプテン翼の翼くん岬くんのようなゴールデンコンビのナイスプレイでした。

上記のようにいぶし銀のプロテクトをしてくれる中学生がいてくれるお陰で、
小学生達がボールを運んで大学生から3トライ奪ってライオンズが勝ちました。

いくら中学生の2名ががんばっても
残りの小学生5名ががんばらなかったら
本気の大学生に勝てるはずがありません。

ライオンズの小学生達の成長も目を見張るものがありました。

試合後には、縁の下の力持ちである
中学生のプロテクターの働きをみんなで讃えました。

彼らは、我を捨てて自らが盾になり人を活かす喜びを彼らは味わったはずです。
少年ラガーが大人のラガーへの階段を一歩登る瞬間を目撃できて私は幸せでした。

またHくんには、全部自分が盾になってプロテクトをするのもいいけど、
次の局面で自分がいい形でボールをもらえるように、
他の選手に○○くん!プロテクト入って!
と声をかけて人を動かして人に仕事をさせる事も大事だよと教えておきました。

学生コーチ陣もこの試合と意図を
よく理解して安全に配慮しなら、
生徒達相手に手を抜かず真剣勝負の相手を務めてくれました。

生徒達や学生達の才能と成長と感じつつ、
次の伸びしろも教えられて、
私は指導者としてとても嬉しく冥利に尽きる、
感動的な試合でした。

キンダークラスの生徒達や保護者の皆さんにも
ライオンズと学生コーチ陣の勇姿を見て頂きたいなと思いました。

というわけで…

明日は、ライオンズ対大学生の10分1本の真剣勝負の試合を
17時からキックオフして全クラスで観戦して応援するという授業をやってみます。

生徒と保護者の皆さんも含めると観客は
100人以上です。大声援を背中に受けてプレイする試合になるはずです。

明日は、学生コーチ陣チームの人数を1名もしくは2名増やしますので、
かなり拮抗した接戦の真剣勝負になる予定です。

「百聞は一見に如かず」と申しますが、授業前にみんなで唱えている

「楽しく一生懸命
チャレンジそのものを楽しもう!」
「想いやりのパスをつなごう!」
「強くて優しい人になろう!」

という言葉をライオンズの選手達と学生コーチ陣が体現して
小さい後輩達に見せてくれる事を信じています。

プレイする生徒達も見学する生徒達もがこの試合から何かをつかんでくれたら嬉しいです。
明日もよろしくお願いします。

東京セブンズラグビースクール
校長 村田祐造