校長からのお手紙 | letter from the principal

2018.10.3 第229号 -かっちゃんコーチのスピードトレーニング-

ラグビー選手にとってスピードは命です。
子供達にとっても速く走れる事は自信につながります。

今週は、幼児から中学生まで全クラスを対象に、
スピードトレーニングを実施します。

本校のスピードトレーニングは、
日本ラグビー協会で育成年代のタレント発掘の仕事をしていた
かっちゃんコーチこと勝田譲さんに監修して頂いています。

かっちゃんコーチが学生コーチ陣に向けて執筆してくれた
スピードトレーニングのポイントを下記に引用してご紹介します。

===
●「走る」を分解すると
・スタート
・加速
・維持(難しいので除外)

●指導するにあたって
「走る」という動作は、多くの関節・筋肉・コツなどが複雑に連携しているので、
導入段階では、例えば「足首の角度」などという細かい点の指導よりは、
複合的なポイントをゴール設定した方が有効。

よってゴール設定やキーポイント、声がけは、
比喩やイメージを用いた情報のインプット(外的キューイング)
を活用して指示を行う。

●トレーニングに用いる要素
比喩、手本、競争、遊び
キーポイントをクリアしないと成功しないトレーニング設計
キーポイントの複合化

●「走る」に共通するテクニック・スキル
・ストライドとピッチ

●トレーニング
①基本姿勢「硬いバネ」
〇ゴール
・地球からのパワーが頭の先まで伝わって頬っぺたが揺れたら成功
〇やり方
・コーチを中心に、円や散らばる
・ジャンプして「アーアーアー」と声を出す
〇キーポイント
1.地球からパワーがもらえる姿勢
2.脱力
〇補足
・先ずは柔らかいバネから始めると効果的

②基本姿勢「アクセル足」
〇ゴール
・母指球で硬いばねの姿勢ができたら成功
〇やり方
・その場でジャンプ
・ジャンプして前進
・片足ジャンプ
〇キーポイント
1.母指球で硬いバネ
2.身体を倒す、前に倒れる
〇補足
・車に例えると効果的
・ブレーキ足を見せると効果的
・前傾というと腰が曲がるので、身体を倒すと指示する

③上半身「強い木」
〇ゴール
・速く腕を触れたら成功
〇やり方
・コーチを中心に、円や散らばる
・体幹、肩ブランコの順番で
〇キーポイント
1.体幹にチカラを入れる
2.上半身はリラックス
3.肘で地面を叩くように肩からブランコ
〇補足
・木に喩える
・なぜ台風が来ても木は倒れないか?
・手の振る方向(前後もしくは斜めなど)は性差/個人差があるのであまり追求しない
・後ろブランコが小さくなりがち(肘ブランコになりがち)

④片足ケンケン膝タッチ
〇ゴール
・基本姿勢を維持しながら、膝を高く上げることができたら成功
〇やり方
・膝を上げながらケンケンでコーチをタッチ
・コーチは散らばる、もしくは歩いて逃げる
〇キーポイント
1.膝を両肩と正三角形になる位置まで上げる
2.つま先をお尻につけるように
〇補足
・爪先を上げると足も上がりやすい
・膝を高く鋭く速く

⑤ニールジャンプ
〇ゴール
・手を地面につかずに両足で着地できたら成功
〇やり方
・正座から両足でジャンプして立ち上がる
・その場で10回、もしくは前進しながら5m
〇キーポイント
・チカラを入れるタイミング
・上半身も使う
〇補足
・競争にすると雑になりがち、ズルをしがち

⑥立ち幅跳び
〇ゴール
・誰よりも遠くにジャンプできたら成功
〇やり方
・スタートの線を決めて両足で前方にジャンプ
・両足で着地して、スタートから近い方の踵の位置が記録
〇キーポイント
・前身を使い、チカラを入れるタイミング(脱力から爆発)d
・足を前に出す
〇補足
・ラグビー日本代表の歴代最高は320㎝(WTB 竹中 祥選手)

⑦機関車トーマス
〇ゴール
・基本姿勢を維持しながら強く速く走る
〇やり方
・コーチが後ろから引っ張る
・応用として途中で引っ張るのをやめて手を離す
〇キーポイント
・基本姿勢の維持(硬いバネ、アクセル足、身体を倒す、膝、腕)
・足は地球を「掻く」のではなく「叩く」。音は「ドシドシ」ではなく「タンタン」
〇補足
・手を離した時に転ぶ=前傾し過ぎて姿勢を維持できていない・足が上がっていない
・地面を掻くと足が後ろに流れるのでストライドもピッチも向上しない原因
・足を速く切り替えることが重要

⑧スタート鬼ごっこ
〇ゴール
・逃げ切ったら勝ち。追いついて両手タッチしたら勝ち
〇やり方
・マーカーを挟んで立つ
・取ったら直線で10m逃げる、取られたら10m以内に両手でタッチする
〇キーポイント
・スタートの構えの姿勢
・スタートしたら飛行機の離陸のように低く速く
・加速したら上体を起こす
〇補足
・スタートと同時に上体を上げがち(加速できない)

⑨ハイキック(足高い選手権)
〇ゴール
・誰よりもつま先が高く上がったら勝ち
〇やり方
・コーチを中心に散らばる
・1チーム5人までがベスト
・30秒などで時間を設定して繰り返し実施させる
〇キーポイント
・硬いバネ+アクセル足から背伸び
・股関節や下半身の柔軟性
〇補足
・格闘技のようなキックでも、正面を向いた蹴り上げでも可
・柔軟性、筋力の向上も目的としているので姿勢はあまり問わない

⑩ニーアップ(膝高い選手権)
〇ゴール
・誰よりも膝が高く上がったら勝ち
〇やり方
・コーチを中心に散らばる
・1チーム5人までがベスト
・30秒などで時間を設定して繰り返し実施させる
〇キーポイント
・硬いバネ+アクセル足から背伸び
・股関節や下半身の柔軟性
〇補足
・柔軟性、筋力の向上も目的としているので姿勢はあまり問わない

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うーむ。なんという素晴らしいレポート。
さすが、かっちゃんコーチ!
科学的かつ知的なインストラクションです。

ここだけの話ですが、かっちゃんコーチは、
全然偉ぶりませんが、実は凄い人でして、
私はとても尊敬しています。

かっちゃんコーチは、大学ラグビーの名門、
早稲田大学蹴球部の長い歴史上初めて大学4年生の時に
主務(チームのマネジメントの責任者)を務めながら、
アカクロ(早大蹴球部の公式ジャージ)を着て
1本目(レギュラー)のウィングとして大活躍した男です。

そのチームは、清宮監督の指導のもと、
大学選手権で日本一を獲得しました。
学生日本一になるようなチームの主務や一本目は、
人望も実力も半端では務まりません。
その両方を務めた勝田選手はいったいどんな少年時代を過ごし、
どんな学生だったんでしょうか?

栄光の大学時代から今も変わらず、
ラグビーへの情熱を絶やさず、偉ぶらず、
草の根のラグビー普及に少しも手を抜かないかっちゃんコーチ。

勝田譲という氏名に込められた使命は

勝利への種を撒き
田んぼの稲のように実れば頭を垂れて
譲る心で次世代を育てる

という事なのでしょう。

私は、そんなかっちゃんコーチを
心から尊敬しています。

創立以来ずっと本校のアドバイザーとして関わってくれて
生徒達の事を親身に考えてくれてありがとう!
心から感謝しています。

明日もよろしくお願いします。

東京セブンズラグビースクール
校長 村田祐造