校長からのお手紙 | letter from the principal

2019.1.30 第224号-大坂なおみ選手と日本人の心意氣-

テニスの大坂なおみ選手が全米オープンに続き
全豪オープンに優勝しましたね。
素晴らしい快挙に感動しました。
有難うと伝えたいです。

特に私が感動したのは、彼女の氣持ちの切り替えの努力です。

第2セット。チャンピオンシップポイントが3つ来ました。
5-2でリードして相手のクルトバ選手のサービスゲームでしたが
大坂は0-40とリードしていました。

3回チャンスがあってその中で1回でいいので
1ポイントとれば優勝決定という場面です。

結果、彼女はこの3回のチャンピオンシップポイントの好機を
活かす事ができませんでした。

目前まで迫っていた栄光は、
彼女の目前からスルリと逃げて遠ざかりました。

その後、優勝への大きなチャンスを逃して
明らかに気落ちし落胆が隠せない大坂選手。

何度も気持ちを立て直そうと試みているのが
よくわかるのですが・・

相手のペトラ・クビトバ選手は偉大な強敵でした。

彼女は、2011年と2014年にウィンブルドンで2回優勝している
偉大なチャンピオンです。

加えて、2016年に、自宅で強盗に襲われ、
利き手の左腕をナイフで刺され重傷を負い、
損傷した左手の神経を修復する手術を受けて
カムバックしてまた世界の舞台に復帰して来た選手です。

突然の暴力によるほとんど再起不能に近い利き手の大怪我。
それを乗り越えて再び全豪オープンの決勝の舞台に帰って来る。
もう奇跡としか言いようがありません。

クビトバ選手は、それほど偉大な選手です。

クビトバ選手は凄まじい氣迫で
気落ちした大坂選手を攻めまくりました。

大坂選手は、ズルズルと連続で4ゲームを落として
第2セットを5-6のスコアで落としてしまいました。

結果、ワンセットオール。
決戦は、最終セットにもつれ込んだのです。

この時、大坂選手はトイレタリーブレイク(トイレ休憩)を
主審にリクエストしてタオルを頭からかぶって
コートから姿を消しました。

タオルの奥の表情は、
私には泣いているように見えました。

このトイレ休憩後の彼女の表情は別人のようでした。
元氣で晴れやかで落ち着いた表情で戻って来たのです。

彼女の記者会見の言葉で表現すれば
「この素晴らしい舞台に感謝してこの挑戦を楽しむ」
という氣持ちで戻って来たようです。

その後も厳しい戦いが続きましたが
彼女は粘りに粘ってこの戦いを制しました。

見事な勝利でした。

優勝スピーチでは
「悲劇と困難を乗り越えてカムバックしてきた
クビトバ選手に心から尊敬します」

と大坂選手はクビトバ選手を気遣い讃えていました。

私は、自分の仕事を
スポーツ心理学を日常生活に応用する
「応用スポーツ心理学」の教師であると考えています。

企業研修や子供達への授業等において
タグラグビーを通じて
氣構えや氣の持ち方を教えているのです。

だから大坂選手の気落ちした状態から
見事に元氣で晴れやかな氣持ちを切り替えた氣の転換と
相手を気遣う優勝スピーチに私は大変感動しました。

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ちなみに気という漢字は気の中の字が×になっているので
気が閉まっています。

そして氣という漢字は、
氣の中の字が米になっています。

お米という漢字の形は、
中心からエネルギーが放射される象形文字です。

氣という漢字は氣が開いて
中心からエネルギーが爆発しているのです。

私は米という漢字をみるといつも
幼い頃、母が教えてくれた米という漢字の意味を想いだします。

「祐造、米という字はね、
分解すると八十八の字になるだろう?
これはね、お百姓さんが八十八回苦労して
育てて米は実るという意味なんだよ。
ウチは農家だから、
夏の時期はお父さんが毎日早起きして
家を出ていくだろう?
あれは田まわりと言って、
田んぼのお世話をしにいくんだよ。
異変がないか見守るんだよ。
水は流れてるか?
多すぎないか?
少なすぎないか?
草は生えてたら草をむしって、
空を見上げてお天氣毎日お天氣と相談して・・・
お父さんも私も毎日田んぼに氣を配る仕事を
しているんだよ。
いっつも明日の天氣はどうかな?
来週は台風が来るかもなとか
心配は尽きないんだよ。
米を育てるのは、
赤ん坊を育てるのと一緒。
苦労と氣配りの連続。
いつも氣懸かりなんだよ。
そうやってお米は、できるだよ。
わかった?
だからお米は感謝して食べようね。」

この話を聴いた後のお米の味は、
なんとも有難く美味しかったです。
心に沁みて力が湧いてくるようでした。

これが私達日本人の心意氣であり
お米という漢字に込められた言霊なのです。

だから、日本人の食事の前の挨拶は
「(生き物の命とそれを育てた人の苦労を)
頂きます。」

食事の後の挨拶は
「(馳せて走ってこの食事を用意してくれた皆様に感謝して)
ご馳走様でした。」
なのです。

だから、元氣の氣は、気ではなくて氣なんです。

元氣の元は、感謝です。
そして元氣に挑戦するのです。

実は、これは応用スポーツ心理学の基本なのですが・・

これは、日本人が古来から大切にしてきた
日本語に宿る文化であり言霊なのでした

こういうお話に興味がある方は・・・
今週土曜日に、日本語に宿る日本の心意氣について
詳しく私がお話させて頂く機会がありますので
ぜひご参加くださいませ。

「なぜ私達は日本語を學ぶのか」

リキオ語学学校✖️文化講習のお知らせ

日本語の漢字や名の持つ意味について考えながら
私達自身の氏名に宿る使命についても考えてみる
ワークショップにしたいと考えています。

明日のラグビースクールもまた、とても楽しみです。

父と母が田んぼに氣を配っていたように
私達もグラウンドに氣を配って
子供達の元氣を育てたいと想います。

明日もよろしくお願いします。

東京セブンズラグビースクール
校長 村田祐造